みなさんいかがお過ごしですか?
今日はアマチュアゴルファー、それも初心者からベテランにいたるまで、ゴルフをプレーする以上知っておかなければならないエチケット「基本のキ~8ヶ条」です。
すべてのスポーツには独自の不文律があり、ゴルフも例外ではありません。エチケットはフランス語でマナーといいますが、これはルールブックの最初に登場する「ゴルフの根本精神」です。つまりいくら良いスコアが出せてもエチケットがNGなら「ゴルファー」にはなれないのです。
エチケットをスルーしたままゴルフを覚えてしまった人もいますが、結局は同伴者に嫌われる迷惑ゴルファーのレッテルを貼られるでしょう。一度読めば生涯好かれるゴルファーになれます。
ゴルフを楽しくプレーするために必須、唯一無二のエチケット
ゴルフがほかのスポーツと異なるところ、それは自分自身の品格や信頼性をさらなる高みに引き上げてくれるツールという部分です。結果的に素敵な人間関係を構築することができるでしょう。
なのでゴルフのエチケットとはと問えば「人としてどうなの?」という大きなプレミス(前提)が、ノッケからドド~ンと横たわっていると考えたほうがいいでしょう。これが「ゴルフはエチケットのスポーツ」といわれる所以ですね。
ゴルフはスポーツとしてだけでなく、ビジネスや社交の場としても重要な役割を果たしています。そのため、ゴルフをする際には、自分だけでなく他のプレーヤーやコースのスタッフに対しても礼儀正しく振る舞うことが求められます。
ゴルフでいう根本的なエチケットとは、以下のようなものです。
①プレー前には予約や参加費の確認、ドレスコードの遵守、必要な道具の準備などを行いましょう。
②プレー中は同伴者の妨げになるおしゃべりはしない。
③自分の番が来たら速やかにボールの位置や方向を確認して打つ。
※一般的な制限時間(持ち時間)は40秒以内(特殊なケースでも60秒以内)
④グリーン上ではボールマーカーを使うこと。ボール跡やディボットを修復する、カートやバッグを適切な場所に置く。
⑤スコアの申告はカウントミスに十分注意し、ホールアウトしたら握手やお礼の言葉で感謝の気持ちを伝えましょう。
また、コースやクラブハウスの設備や備品を清潔に保ち、汚れや破損があった場合は速やかに報告しましょう。
明確なエチケット違反~これだけはNGという8ヶ条
ゴルフはスキルのゲームであるだけでなく、エチケットのゲームでもあります。アマチュアゴルファーとして、スポーツの不文律と伝統を理解しそれに従うことが不可欠です。
ルールを知らないのは恥ではありません。学んで直せば良いだけのこと。でもエチケットというと全く別物。知らないままでは恥をかくことになります。
今回の包括的な記事では、ゴルフエチケットのすべきこととすべきでないことを探り、アマチュアゴルファーがコースでのゴルフ体験を向上させ、前向きなゴルフ文化を促進するための貴重な洞察を探り出したいと考えています。
🚫 臆面もなくドタキャンする人・スタート時間に遅刻する人
ゴルフの参加申し込みをするとき、あまりにも軽々に申し込む方がたまにいます。実例を挙げてみましょう。
ラウンド直前になって「その日はほかの予定があるので…」。お口アングリ状態でしたね。もっとひどいのはその日にこないままで。後日「忘れていました」という大胆な人も。
上には上がいて、当日の朝ロッカーで着替えていると電話。「午後から雨予報だから僕は休みます」と言ってきた人がいました。もう笑うしかありません。
中には「それは仕方ないか」という希少な例もないではありませんが、ドタキャンがほかの同伴者にもコースにも迷惑がかかること必至です。多くの予約は4人が原則なので、一人欠けると割り増し料金が生じたり、2人欠けると組み合わせ不能となります。まとめ役の努力の範疇を飛び越えた迷惑行為ですね。
3年ほど前のこと、漫画家さんのコンペがあり募集で34名が参加申し込みしました。
ひと月後のコンペ当日は台風接近で朝から本降り、にもかかわらずなんと集合時間に一人も欠けることなく全員集合したそうです。気軽に欠席する人(?)にとっては、ゴルフってそういうスポーツなの!と驚くでしょうね。
ゴルフコースに向かうときに何らかの交通アクシデントはよくあること。すべてを想定したゴルフの常識として、スタート1時間~2時間前にはクラブハウスにいるべきです。
🚫 プレー中に携帯電話で通話やメールは絶対NG!
携帯電話をコースに持ち込むのが100%エチケット違反というわけではありませんが、取り扱い次第では嫌われることになるでしょう。特に携帯が離せない”中毒性”がある人は要注意です。
携帯に執着しすぎると周囲の自然と一体になりたくてコースに来た同伴者などの精神に反します。
たとえ混乱を引き起こさなかったとしても、グループの反感は必至です。
最近はコース側が「使用禁止または使用制限」を定めているところも多くなりました。クラブハウス内にも「携帯ボックス」を用意したりしていますのでスタート前に確認しましょう。
スコアの記録や距離測定に使用する方もいますが、最低限度サイレントモードに設定し、呼び出し音が鳴らないようにすべきです。中にはプレー中にビデオ通話をしたり、SNSに画像を送信したゴルファーがいて顰蹙を買っていました。
携帯はコース内に持ち込まないのがベターです。できるだけロッカーにしまい込んでからスタートすべし。ゴルフに来たのに、ラウンド中も携帯が離せないほど多忙な方は同伴者に配慮して参加しないほうがお互いのためです。
こんな例もありました。ティーイングエリア周辺にいたAさん、携帯が鳴ったため少し離れた場所で会話するのですが、その声がビミョーに聞こえてきてショットがやりにくく、結局会話終了まで待つという事態になりました。
ゴルフで最も集中力が必要な時のエチケット違反ですね。近年の最優先事項「Play fast」に逆行する行為です。
🚫 スコアを過少申告する人(日常的な習慣なのかも?)
エチケット以前にあるのが「スコアの過少申告」です。
勘違いしてのカウントミスは誰にでも起こりうることですが、これさえエチケット的にも褒められたことではありません。一般的なラウンドに審判員はいないのも、ルール以前にエチケットがあることはゴルフの大前提で、「あなたを全面的に信頼しています」というトラスト(信任)ありきなんですね。
その日の参加者が驚くようなビッグスコアが出したい、コンペで良い賞品をゲットしたい、などが迷惑行為の理由になることがあります。
成績発表(表彰式)の場でウソ申告を知っている仲間にとって、それを指摘すらできないような雰囲気になったら最悪。楽しいはずのコンペもシラケるばかり。きっと「今後は絶対に一緒に回りたくない」と嫌われること必至です。
こんなNGゴルファーがいました。ハンディキャップの取得をするために自分のスコアを意図的に過少申告を繰り返していました。これはゴルフのルールやエチケットに反しています。(ハンデがたくさん欲しいために過大申告するのも不正です)
正規のメンバーコースでは提出されたスコアカードに不正があった場合、退会や出入り禁止などの処分を受ける可能性があります。
また当該のゴルフ場がJGA(日本ゴルフ協会)に加盟している場合、JGAのハンディキャップ委員会が調査を行い、必要に応じてハンディキャップを調整したり、ハンディキャップ登録を停止したりすることができます。
さらに、スコアを過少申告することで、他のプレーヤーに不利益を与えたり、不正な利益を得たりした場合には、民事上の責任を問われる可能性もあります。例えば、額の大きな賞金や景品がかかったコンペで、スコアを過少申告して優勝した場合には他の参加者から損害賠償請求をされることが考えられます。
スコアのカウントに自身がない人は「スコアカウンター」を持ち使い慣れしましょう。
以前OBゾーンなのに「ここはハザード内だから」とか言って強引にショットした人がいました。もうここまでくると言葉になりませんね。
🚫 グルーン上の基本的なマナーはしっかりチェックすべし
”ゴルフは楽しく真剣に”これさえできれば90点、あとはエチケットだけです。その日の半日が”エンジョイゴルフ”となるためにはルールよりエチケットが守られないと楽しい時間にはなりません。
しかし度を越した”エンジョイ”ぶりに閉口した経験のあるゴルファーはたくさんいます。なんとなく苦笑いでスルーしても、内心では「ちょっと許せないなぁ!」と怒っていませんか?
グリーン上で他人のラインを踏む、跨ぐ、自分の影を落とす、さらにはパッティング・ラインの(前後の)延長線上に堂々と立っているなんて最悪です。
もうひとつ「おしゃべり」。ゴルフは自然のなかで静かに楽しむスポーツ。大声を挙げたり人がアドレスしているのに声を発するなんてヒジョーシキです。
グリーン上のエチケットについては以下のページにまとめましたので、ぜひ一度お読みください。
🚫 プレーが遅い!グループの仲間にならない~これはNG
アメリカのゴルフ雑誌社が、同伴競技者の一番許せないマナーやプレーついてアンケート調査(2023年6月)を実施しました。
1,988票の回答には普段言えないで我慢していた思いをぶつけるかのようなコメントも多く寄せられています。
その中に「儀式が長い、もっと簡素にしてほしい」というのがありました。「儀式」とは”ルーティーン=routine”のことです。
例えば同伴者の中にショットに入る前のルーティーンやワッグルが延々と続く人がいて、さらに5回、6回と素振りを行い、あまりにもひとりで時間をとるのでリズムが崩れて閉口したというのです。
そのほかパッティングのライン読みに時間をかけすぎたり、あまりにスロープレーが習慣化されたメンバーが一人いると、ほかのメンバーが大きなストレスを感じます。「リズムが合わない人が一人いるだけでとてもと疲れる」というコメントもありました。ゴルフ界全体がプレーファストを叫んでいるのに全く逆行していますね。
筆者もそんな方とときにご一緒しますが、中には遅いだけではなくグループに入ってこようとしないで「孤高のゴルファー」になる人がいます。
決して仲間に不快感を持っている様子はないのですが、自分の世界に閉じこもってしまい、同伴者の良いショットにも声掛けはなし、ボール探しも参加せずで自分のプレーに没頭していました。やはり余暇を楽しみに来ているのですから、COOLが売り物の方でもせめて「ナイスショット」くらいは言ってほしいものです。
またスコアが悪いと不機嫌になる人も困りものです。人によってはキャディのせいにして当たり散らすという最低のマナー。
結局そういうタイプの人が一人入ると他の同伴者はシラケて静かになります。あからさまに不機嫌さを顔や言葉にするのは控えるべきです。
①初心者の方は知識がないかもしれないので仕方ないのですが、打ったボールが「紛失の可能性があるとき」合法的に同じ場所からもう1球打つことができます。
②その名の通り「暫定=プロビジョナル(provisional=一時的な)」です。仮に打つボールなので紛失球が決まってから初めて本球(インプレー)になります。
打つ前に必ず「暫定球」と宣言します。
③2019年改正のルールでは、ボール探しは5分から3分になります。マナーとしても元の場所に戻ることになるとスロープレーになるので積極的に活用すべきマナーです。
<注釈>紛失球とは、打ったボールが見つからない場合や、ボールがアウトオブバウンズ(OB)や水中に入ってしまった場合を指します。紛失球になった場合、ペナルティとして1打加算されます。また、打ち直し(ストロークアンドディスタンス)をする必要があります。つまり、紛失球になった場所からもう一度打つことになります。
紛失球の探索時間は、ボールを探し始めてから3分間です。
3分間以内にボールが見つからなければ、紛失球として扱われます。探索時間は自分だけでなく他のプレーヤーやキャディーも含めて計測されます。探索時間を過ぎたらすぐに探索をやめて打ち直しをするか、プロビジョナルボール(仮球)を打つことになります。
ホール(またはゴルフクラブ)によっては「前進4打」の設定があるわよね。初心者が知らなければOBのときは必ず使ってスピードプレーをするべしと教えるべきね。
🚫 (セルフプレーの時)バンカーショットのあと、元通りに修復しない人
さぁ、次はバンカーの出番です。このエチケット違反は意外にたくさんの人が犯しています。
中にはバンカーショットが終わった後、2~3回シューズで砂を均すしぐさだけでバンカーから出ていく人を見かけます。
シューズを使うということは「バンカーショットのエチケット」は承知しているわけですね。これは確信犯と言えるNG行為です。下記の枠内のようにレーキを使いましょう。
バンカーはその日一日のゴルファーが使う可能性がある場所、行ってみたら自分のボールが足跡の中にあったなんて悲しすぎませんか?
こんなエチケット違反するNGゴルファーに、「もし立場が逆だったら?」と質問したらどんな答えが返ってくるのでしょう。
①自分のボールの確認。
不明確の時はピックアップできます。そして限りなく元あった状態に近い状態にすればいいのです。
②バンカーには入り口があります。
バンカーに入るときはアゴの低いところでできるだけ歩数の少なくて済むところを考えてから踏み込みましょう。結局修復する手間も少なくて済みます。
③バンカーに入る前に、レーキ(野球のトンボのような砂を均す道具)を近くに置いておきます。レーキや持っているクラブを砂の上に置いても構いません。(打ったボールが当たらないように注意)
④レーキの使い方は、砂を軽く引くようにして表面を平らに平均化して、最後に砂を押すときれいに仕上がります。
⑤初心者の方が最後にオンさせてグリーン上の作業に追われるようなシーンだったら、ほかの方が代わって均してあげると進行が早くなります。
🚫 プレー中にアドバイスをする人(明確なルール違反)
パッティングしようとしたら「ソレってスライスラインだよね」とか、ショットしようとアドレスしたら「そのクラブ、大きくない?」など声をかけたりつぶやいたりするのは悪質なエチケット違反。
さらにアドバイスになるため、ルールブックでも禁止されているため2打罰になります。
ただし、ティーショットをお互いに打った後、フェアウエイを歩きながら今使ったクラブを語り合うのは違反にはなりません。
なかにはルールを知ってか知らずかわかりませんが、”親切”だと思っている人もいます。これはNGです。
以前、セカンドショットの場面で、なんと手取り足取りの「ゴルフスクール」を始めた人がいました。初心者を指導する「善行」だと思っている様子でしたがこれはいただけません。
どうしても教えたいなら練習場に限定したほうがいいでしょう。
例えばティーショットで、左バンカーまで220ヤードだねとか、左ドッグのコーナーに池がありますねなどは全く問題ありません。(周知の事実)
🚫 打ち込み禁止の大原則~「フォア!」の声掛け
前の組が距離的に安全な場所にいない限り絶対にボールを打たないでください。ゴルフコースは安全第一です。
オナーさんのティーショットの平均飛距離の5割増しでも何かにはねて事故になったケースがあります。そこで急いでもグループはつながっているので何の利益もありません。
かつて、グリーン上に前のグループがいるのに何を勘違いしたか打ち込んでしまい、一人の顔に当たって救急車が駆けつけた様子を見たことがあります。
なかには「前の組が遅いから・・」と意図的に打ち込んだ人がいたそうですが、これは刑事事件になるでしょう。全く意味のない悪質な行為です。
打球が逸れて隣のコースに飛んでいった場合、必ず「フォア!」、つまり”そっちにボールが飛んで行ったぞ~!”という危険信号を発しなければならないのです。この光景はテレビのプロゴルフ中継などで頻繁に目にしているはずです。
そのショットが何打目かに関わらず、グリーン以外で注意することがあります。
それは打つ人のボールより少しでも前(グリーン方向)に立ってはいけないということ。
その理由は、打ちそこなったボールは90度右に飛ぶことがあるからです。
ソケットとかシャンクといいますが、ちょっとだけ前にいて大けがになった人がいました。当たり所によっては死亡事故になります。十分な注意が必要です。
さらに全員がホールアウトしたら速やかにグリーンを出ないと、後続の組に打ち込まれる危険があります。
スコアをそこで記入することは非常に危険なのです。
ゴルフの「エチケット」、ルール以前の基礎知識
ゴルフのルールブックにはR&AやUSGAの文字があります。ゴルフはもともと15世紀のスコットランドの紳士や貴族によってプレーされたスポーツで庶民ではありませんでした。
幸いなことに今日では誰もがプレーすることができますが、それが長く続いてスポーツとして評価されている原点にあるのが「エチケット」です。
「エチケット」は今日のゴルフというスポーツのバックボーンになっています。
初心者にとって大事なことはルールでもスコアでもなく、どのように振る舞うかです。ゴルフのエチケットは日常生活にも通じる部分があります。ゴルフファンなら誰でも知っておくとメリットがあります。
今回の8ヶ条のエチケット~番外編
今回は「8か条のエチケット違反」でまとめました。付け足す項目がないわけでもありません。少しだけ触れておきましょう。
🏌 ホールアウトしてクラブハウスに入るときは、必ずシューズのクリーンナップは済ませましょう。忘れるとフロアが芝生のゴミだらけになります。
🏌 朝の練習グリーンで使用するボールは3個が限度と心得たほうがいいでしょう。ときに7~8個も打つ人がいますが顰蹙ものです。
🏌 タバコを吸う方は注意を。
何度か経験しましたが、コースの途中にたばこの吸い殻を見た時は悲しくなりますね。タバコを嗜むのは自由ですが、吸い殻の投げ捨てが生活習慣になっている方はTPOを弁えるべきです。
ゴルフコースによってティーグラウンド周辺にのみ灰皿が置いてあるケース、または全面的に禁煙になっています。
かつて冬のコースで吸い殻が原因で火災になったケースが数件ありました。
歩きたばこをしていた人が捨てた煙草が芝生に引火して、野球のグラウンドほどの面積を焼き尽くしてしまったのです。こうなるとマナー違反どころか責任問題になります。
実際はコースの中に限らず、クラブハウス内も全面禁煙にしたゴルフ場もあるので、喫煙家は喫煙場所を確認しておく必要があります。
ゴルフの真髄はゲームの挑戦と、自分の能力を最大限に発揮してプレーする満足感にあることを忘れないでください。
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