今回は災害の時「スマホ」がどれだけ使えるかを検証します。
おじいちゃん、おばあちゃんから「災害は忘れたころにやってくる」という諺を教わったものです。この言葉にはそれなりの重さと説得力がありました。でも今の日本列島に起こる災害はそんな悠長なテンポではなく、忘れなくても次々にやってきます。
2024年の元日に起きた能登半島地震では各地で津波が発生しましたが、珠洲市に設置した潮位計は地震直後に観測不能になるなど情報は不足しました。甚大な災害にあった多くの方がもっと正確な情報をすぐに手元で見たいと痛感したはずです。
災害時に対応すべき行動~最新情報はスマホが頼り
京都大学防災研究所が地震直後に調査を行ったところ、各地の津波による浸水の高さは、志賀町で最大5.1メートル、珠洲市で最大4.7メートルだったことがわかりました。珠洲市では、津波に伴う火災も発生したため、被害が拡大したということです。
災害に対し自分自身に降りかかる「Xデー」に備えているのかという素朴な疑問は常にあります。いざというときに素早く効率的に対応できれば、自分の家族も周りの人たちにも気を配る余裕ができる可能性があります。
災害を予知できる人は一人もいません。しかし普段から備えておくことならだれでもできます。
災害に備えるということを具体的に確認しておきましょう。
その意味でも緊急時のスマホは心強い味方になります。スマホを生かしきるためには最低限度の知識が必要です。
災害で役立つスマホ~充電できなければ宝の持ち腐れ
災害時にスマホは重要な情報源や連絡手段となります。非常時ほど頼もしいスマホ、でも停電や通信障害の影響で電池が切れると使い物になりません。ではスマホの充電をどうすればいいのかという話になります。
そこで登場するのが「モバイルバッテリー」です。モバイルバッテリーを常に満充電にしておくことがおすすめです。
モバイルバッテリーは、スマホだけでなく、ラジオや懐中電灯などの電子機器にも使えます。モバイルバッテリーの容量や寿命には注意しましょう。また、複数のデバイスを同時に充電できるものや、太陽光で充電できるものもあります。
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太陽光バッテリーはスマホのための確実な手段
災害時には最初から「停電」になると想定していたほうが間違いありません。そうなるとスマホの充電ができなくなります。
人間は毎日フツーに充電できるので、そういう災害時を想定しないで日常生活を送りますが、そこに落とし穴があるんですね。
そこで、太陽光バッテリーを使ってスマホを充電する方法が注目されています。太陽光バッテリーとは、太陽の光を電気に変換して蓄えることができる装置です。スマホに接続すれば、どこでも充電することができます。
しかし、太陽光バッテリーにもメリットとデメリットがあります。
この製品は電気代がかからないというメリットがあります。さらに環境に優しいことです。デメリットは、太陽の光がないと使えないことや、充電時間が長いことが挙げられます。
また、災害時には太陽光バッテリー自体が壊れたり、盗まれたりする可能性もあります。
したがって太陽光バッテリーは災害時にスマホを使うための一つの手段ですが、万能ではありません。
災害に備えて、常にスマホのバッテリー残量を確認したり、予備のバッテリーや充電器を持ち歩いたりすることも大切です。
車載のシガーソケットから充電できる簡単取り付け機器
車を持っていてエンジンがかかる状態ならシガーソケットからスマホを充電することができます。
ただしエンジンをかけたままにすると燃料の無駄遣いどころか、災害地でガソリンタンクがエンプティーになるとスタンドは長蛇の列という事態が想定されますし、実際に過去の例でも起こっています。”車を持っているからいつでも充電可能”ではないのです。
車載のシガーソケットでスマホの充電する方法は有効ではありますが、注意点も結構たくさんあります
安全かつ効率的にスマホを充電するためには、以下に書いたようなシガ・ソケットを使う場合のメリットとデメリットを承知しておくべきです。承知して使うなら何ら問題はないでしょう。
以上のことから、車載のシガソケットでスマホの充電する方法は有効ではありますが、注意点も多いことが分かりました。安全かつ効率的にスマホを充電するためには、以下のような対策を取ることをおすすめします。
⚠ エンジンをかけた状態で充電すること
⚠ スマホ用の専用充電器を使用すること
⚠ 充電中はスマホを使用しないこと
⚠ 充電器や変換器は必要な時だけ差し込み、使用後は抜くこと
⚠ 充電器や変換器は車内に放置しないこと
そのほかに非常時のスマホの充電ができるTPO
📳 公共施設やコンビニなどを利用する災害時には、公共施設やコンビニなどが充電スポットとして開放される場合があります。近くにある場合は、利用することができます。
ただし、混雑や感染症対策などの問題もあるので、必要最低限にしましょう。また、自分の番が来るまでに待ち時間が発生する可能性もあります。
スマホには節電モードという機能があります。これを使うと、画面の明るさや通信速度などを抑えて、バッテリー消費を減らすことができます。災害時には必要な情報や連絡以外は控え、節電モードを使うようにしましょう。
以上、災害時にスマホの充電をどうすればいいのか、いくつかの方法を紹介しました。災害はいつ起こるかわかりません。事前に準備しておくことが大切です。スマホは生活に欠かせないものですが、過度に依存しないようにしましょう。
非常時にスマホを最大限生かす方法
地震は突然発生する自然災害であり、被害を最小限に抑えるためには、正確で迅速な情報が必要です。しかし、地震の影響で電気や通信が途絶えたり、道路が寸断されたりすることもあります。そんな時には、どのようにして情報を得ることができるのでしょうか?
一つの方法はラジオを聞くことです。ラジオは電池やソーラーパネルで動くものもありますし、スマートフォンやパソコンからもインターネットラジオを聞くことができます。
ラジオでは、地震の規模や震源地、津波の発生や警報、避難指示などの重要な情報が放送されます。また、ラジオでは、被災者や救助隊の声も聞くことができます。これらの情報は、自分の状況や行動を判断するために役立ちます。
もう一つの方法は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用することです。SNSでは、自分や家族・友人の安否を確認したり、被災地の様子や支援情報を共有したりすることができます。
SNSでは、公式機関やメディアだけでなく、一般人やボランティア団体などからも多様な情報が発信されます。しかし、SNSでは、誤った情報やデマも流れることがあります。そのため、SNSを利用する場合は、情報の出所や信憑性を確認することが重要です。
ラジオ機能搭載のスマホを使う
まずスマホ本体でFM放送を受信できる機種を選ぶ方法です。こちらならスマホ本体にラジオチューナーを内蔵しているため、特別な操作をしなくてもFM放送を受信できます。インターネットを経由したラジオと比べて遅延が起こりにくいのも特徴です。
アプリではなくスマホ自体がFMに対応していれば、インターネットを経由しないので、データ消費なしでラジオを聴くことができます。ラジオを流しっぱなしにしていても通信量の心配をする必要はないでしょう。
またインターネットを経由しないので、万が一災害で基地局に障害が起こった場合でもラジオを受信できます。ラジオを受信できれば最新の情報などを収集できるため、いざというときの心強い味方になってくれるでしょう。
ラジオが聴けるスマホアプリを使う
次はラジオが聴けるスマホアプリを使う方法です。スマホでラジオを聴けるアプリは多く配信されており、対応機種も多いのが特徴です。ラジオチューナー搭載のスマホ本体を選ぶよりも選択肢が多いため、他の機能を優先して選びたい方に向いているでしょう。
インターネットを経由してラジオを聴けるため、住んでいる地域以外のラジオ番組も聴くことが可能です。どこにいても好きなラジオ番組を楽しめるので、さまざまな種類のラジオを聴きたい方におすすめです。
ただしインターネットが利用できなければ、ラジオ自体も聴けなくなります。そのため、緊急時の情報収集手段としては不安が残るでしょう。
スマホで聞けるラジオアプリ
スマホで聞けるラジオアプリには、大きく分けて以下の2種類があります。
- ラジオ専用アプリ
- ラジオ機能付きアプリ
ラジオ専用アプリとは、インターネットラジオを主な機能として提供するアプリのことです。例えば、以下のようなアプリがあります。
- TuneIn Radio (TuneIn Radioは、世界中の10万以上のラジオ局を聞くことができるアプリです。ニュースやスポーツ、音楽やトークなど、幅広いジャンルの番組があります。また、ポッドキャストやオーディオブックも楽しめます。無料版と有料版がありますが、無料版でも十分に使えます)
- radiko (radikoは、日本の全国民放ラジオ局とコミュニティFM局を聞くことができるアプリです。地域や時間に関係なく、ライブ放送やタイムフリー放送を聞くことができます。また、プレミアム会員になると、全国のラジオ局を聞くことができます。無料版と有料版がありますが、無料版でもほとんどの機能を使えます)
これらのアプリでは、国内外の多数のラジオ局を選択して聞くことができます。また、番組表やお気に入り登録、録音機能なども備えています。
一方、ラジオ機能付きアプリとは、インターネットラジオを他の機能と併せて提供するアプリのことです。例えば、以下のようなアプリがあります。
- Spotify (事前にダウンロード。Spotifyは、音楽ストリーミングサービスとして有名なアプリですが、ラジオ機能も優れています。自分の好きなアーティストや曲を基にしたラジオチャンネルを作成できます。また、Spotify Originalsという独自のラジオ番組もあります。無料版と有料版がありますが、無料版では広告が入ります。)
- Apple Music
- Amazon Music (有料と無料がある)
これらのアプリでは、音楽ストリーミングサービスやポッドキャストなどと一緒に、インターネットラジオも利用できます。また、自分の好みに合わせてカスタマイズしたラジオチャンネルも作成できます。
スマホで聞けるラジオアプリには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 選択肢が豊富で、自分の興味や趣味に合った番組を見つけやすい。
- いつでもどこでも聞くことができる。
- 音質が良くて、ノイズや電波障害に悩まされない。
- お気に入りの番組を録音して後から聞くことができる。
デメリット
- インターネット環境が必要で、通信料がかかる。
- バッテリー消費が早くなる。
- ラジオの雰囲気やコミュニティ感が薄れる。
スマホで聞けるラジオアプリは、インターネットを通じてラジオ放送を受信できるアプリです。ラジオ専用アプリとラジオ機能付きアプリの2種類があります。メリットとデメリットもありますが、選択肢が豊富で便利なメディアです。ぜひ早めに一度試しておくといいでしょう。
災害時に便利なスマホのアプリ
地震の時、役に立つアプリにはどんなものがあるのか、前述のラジオのほかになにがあるか紹介します。
地震の規模や影響範囲によっては停電や断水などのライフラインが寸断されたりする可能性もあります。そんなときに役に立つのが、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスにインストールできるアプリです。ここでは、地震の時に役に立つアプリをいくつか紹介します。
📳 NHKラジオNHKラジオは、NHKのラジオ放送をインターネット経由で聴くことができるアプリです。地震が発生した場合には、テレビやインターネットが使えなくなっても、ラジオで最新の情報を入手することができます。
NHKラジオでは、地震や津波などの災害情報や避難指示などを優先的に放送します。また、多言語放送や手話放送なども提供します。
災害用伝言板は、災害時に通信手段が限られた状況でも、家族や友人と連絡を取ることができるアプリです。災害用伝言板では、自分の安否や現在地などのメッセージをインターネット上に公開し、他の人が閲覧できるようにします。
また、他の人のメッセージを検索して閲覧することもできます。災害用伝言板は、NTTドコモ、au、ソフトバンクなどの各キャリアが提供しており、それぞれ互換性があります。
Yahoo!防災速報は、気象庁から発表される地震情報や津波警報などをリアルタイムで受信できるアプリです。
地震が発生した場合には、震度や震源地、予想される揺れの範囲などを表示します。また、自分の現在地や登録した家族や友人の居場所を地図上に表示し、安否確認や避難経路の確認ができます。さらに、停電や断水などの被害状況や避難所情報なども提供します。
以上、地震の時に役に立つアプリを紹介しました。これらのアプリは、事前にダウンロードしておくことが重要です。また、災害時にはバッテリーの消耗が早くなるため、モバイルバッテリーやソーラーパネルなどの充電器も準備しておくとよいでしょう。地震はいつ起こるかわかりません。常に備えておくことが大切です。
災害時に備えることが最善で最大の対策~関係省庁のまとめ
地震は予測できない災害ですが、情報は生き残るための力になります。地震に備えて、情報を得る手段を複数用意しておくことが大切です。
- 防災グッズを用意する。非常食や水、懐中電灯やラジオ、救急セットなどの必需品をまとめておく。家族やペットの分も忘れずに。
- 避難場所や避難経路を確認する。自宅や職場、学校などで避難訓練を行う。近所の避難場所や避難経路を把握しておく。避難時には混乱が起こりやすいので、事前に確認しておくことが重要だ。
- 災害情報をチェックする。気象庁や自治体などの公的機関から発信される災害情報を常にチェックする。スマートフォンやパソコンなどでインターネットやSNSを活用すると便利だ。災害情報に基づいて、早めに避難や対策を行う。
- 家族や友人と連絡方法を決める。災害時には通信網が混雑したり途絶したりする可能性がある。そのため、家族や友人と連絡方法を決めておくことが大切だ。例えば、メールやSNSではなく、電話やFAXで連絡するとか、一定の時間に連絡するとか、あらかじめ決めておくと安心だ。
災害に関する関係省庁
国土交通省は、地震・津波災害、風水害、火山災害、雪害などの防災対策に取り組んでいます。
また、国土交通省防災・減災対策本部では、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの対策を進めています。
気象庁は、地震災害を防止・軽減するために、緊急地震速報や地震情報、長周期地震動に関する観測情報などを発表しています。
文部科学省は、地震調査研究推進本部の事務局として、地震調査研究を積極的に推進しています。
具体的には、東海・東南海・南海地震や首都直下地震、ひずみ集中帯、全国の活断層などを対象に、地震調査研究を推進しています。
内閣府では、海トラフ地震対策、首都直下地震対策、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策などの地震対策を進めています。
また、内閣府(防災担当)では、国の地方支分部局が地震発災時を想定した業務継続計画を策定する作業を支援するため、「都道府県別地震被害想定概要集」を作成しています。
以上のように、災害は忘れたころにやってくるものなのです。
私たちはそのときに直面してから慌てないように、普段から備えておくべきです。
災害は誰にでも起こりうるものだから、自分だけでなく周りの人たちにも気を配らねばなりません。一人ひとりが防災意識を高めることで、災害に強い社会が作れるはずです。
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