AI技術の進化により、画像生成AIは私たちの創造性を新たな次元へと導いています。テキストや簡単なスケッチから高品質な画像を生成する能力は、アート、デザイン、教育、広告など多岐にわたる分野で革新をもたらしています。その基となるのが「プロンプト」です。
今回はその中で誰でもできるAI生成画像を自由に楽しむために学ぶべき「プロンプト」と、その活用の可能性について探ります。
①画像生成アプリは同じ「プロンプト」を記入しても、全く同じ画像は再生できません。
②今回に紹介するアプリは、一定の利用条件が必要なものも一部含まれています。
③すべて有料ではなく制限付き無料なものがたくさんあります。
時代はAI～プロンプトを使いこなそう
人工知能（AI）の進化は目覚ましく、日々新しい可能性が開かれていて、多岐にわたる分野で活用され、私たちの生活やビジネスに革命をもたらしています。最近のAIができることの一部です。
- 生成系AI: AIは文章、音楽、画像などのコンテンツ生成、設計やデザインの分野で新しいアイデアの創出を支援しています。
- 識別系AI: 設備内の異常検知や不良品の検出、医療画像での診断などのタスクにAIは欠かせない存在となっています。
- 予測系AI: 需要予測、顧客行動予測、トラブル予測など、データに基づく予測を行うことで、ビジネスの意思決定を支援しています。
- 会話系AI: カスタマーサポートの自動化やECサイトでのバーチャル接客など、会話を通じたサービス提供が可能になっています。
- 実行系AI: 製造業での設備や機械制御、接客や配送ロボットの運用、自動運転車の開発など、実世界での物理的なタスクをAIが担うようになっています。
AI 生成画像 ベスト8でワクワクする時間を楽しむ
初心者でも簡単にできる画像生成テクノロジー。このあたりから始めるのが無難でしょう。失敗しても何の心配もいりません。何度でも挑戦してください。
あなたの頭に浮かんだイメージを文字（プロンプト＝呪文）に変えて「生成ボタン」をクリックすると、あ～ら不思議、あっという間に出来上がります。
ちょっと違うなぁと思ったらプロンプトを書き換えましょう。AIは何度でも付き合ってくれます。
全く偶然に（意図したものではなく）とても感動的なものまで生み出す奇跡もあります。
それでは代表的な各社・各アプリごとのプロンプト成果を紹介します。
今回はレイアウトの都合上、すべての画像を正方形にしましたが、アプリによっては16:9など、様々な形に変えられます。
ADOBE～Firefly image 3
最初に紹介するのはアドビアプリ内の新しい Adobe Firefly。
どちらのアプリもそうですが、プロンプトの内容をすこし変化させるだけで（例えば単語を入れ替えるなど）で全く異なった画像を提供してくれます。
＜プロンプト＞
「フリーハンド水彩画。ゴールデンレトリバーの正面の顔」水彩画らしい繊細な筆使いで仕上がっています。水彩画をアクリル画にしたり、油彩にすると趣が変わります。どこか愛犬によく似ている？？
＜プロンプト＞
「フォトリアリスティック画像。スイスの山の村に春がやってきました。清らかな小川のせせらぎと赤い屋根の家が見えます。遠くの山には雪が残り、朝の光の中に馬がいます」
2023年9月13日、Adobe社は画像生成AI「Adobe Firefly」のWeb版を発表しました。
これにより、PhotoshopなどのAdobe製品内だけでなく、誰もがWebブラウザ上で「Adobe Firefly」を使って画像を生成することができるようになります。
ADOBE Photoshop β
こちらはAdobeの「creative cloud desktop」から使用契約する必要があります。
このアプリの優れたところは、イメージしてプロンプトを書いた時、リミックスして自分の思い描いた画像のタイプとイメージを、①参照画像、または②100枚を超えるインスピレーションの参考画像から簡単に選べることです。
最初に作ったプロンプトで気に入らないときは何度でも修復して好きなだけのプロパティが作れます。
＜プロンプト＞
「フォトリアリスティック画像。指で剥いてむき出しになったミカンの房。今にも果汁があふれそうなイメージ。後方に残されたミカンといくつかのブドウの粒が見えますが。カメラの被写界深度が浅くぼやけて見えます」
＜プロンプト＞
「リアルな漫画。宇宙服を着た白いネコのアストロノート。いま宇宙空間を遊泳中。背景は青い宇宙」
これは猫をウサギやスカンクに変えたり、仲間の飛行士を後方に飛ばすなど変化できます。
マイクロソフト デザイナー
マイクロソフトデザイナーの特徴としては、特にOpenAIが開発した画像生成AI「DALL・E 2」を搭載している点が他のアプリとの大きな違いです。
このツールは無料で利用可能で、Microsoftアカウントがあれば誰でもアクセスできます。日本語にも対応しており、自然言語による命令でさまざまなデザインを即座に生成することができます。
さらにPowerPointの「デザイナー」機能と同様に、スライドのデザインを提案してくれる機能もあり、絵心がなくてもAIが一貫性のある美しく整ったデザインを生み出してくれるのが特長です。
筆者が気に入っているのは画像、グリーティングカード、ソーシャル投稿、招待状や壁紙と目的別に自由に選んで生成できます。
とくに好きなのは「ステッカー」です。パッチワークのように背景を抜くのも自由自在です。サイズも選べ正方形（1,024×1,024）と縦長と横長があります。
＜プロンプト＞
「リアルなバラの花のフリーハンド水彩画が描かれていて、白いコピースペースがあるグリーティングカード」バラはもっとリアルな写真画像にすることもできます。
またペーパークラフトにするとガラッと雰囲気が変わります。
＜プロンプト＞
「フォトリアリスティック画像。遠く富士山を眺める景色。手前のライトブルーに塗られた鉄橋を突っ走っていく新幹線の列車。下は大きな河で清らかな水の流れ」すぐに4枚作りますが、その中から好きなタイプを選びます。
マイクロソフト～Copilot
このサービスの特徴は、無料で利用できる点、そしてWindows、スマートフォンアプリ、ブラウザを通じてアクセス可能である点です。Copilotは最新のAIモデルでリアルな画像からアート、イラスト、ロゴなど、多様なスタイルの画像を生成することが可能です。
Copilotの画像生成機能は、ユーザーが具体的なプロンプトを提供することで、その指示に応じた画像を生成します。さらに英語でプロンプトを書くことで、より精度の高い画像が得られる傾向にあります。
Copilotの特徴により、広告バナーやブログ記事の挿入画像など、さまざまな用途で画像を効率的に生成し、業務の効率化とコスト削減に貢献することができます。
＜プロンプト＞
「イラストを描いてください。夏の海で海岸にヨットがあり海の家ではアイスクリームを売っています。ヤシの木もあります」
＜プロンプト＞
「ピンクとブルーのバラの花束のクローズアップ。美しさが際立つ画像で落ち着いた雰囲気」形容詞を描くと変化があります。
ImageFX～Google
ImageFXはGoogleが提供する画像生成AIサービスです。プロンプトで働くことは他と変わりませんが、特に実写系のリアルな画像生成（最新のAI画像生成モデル「Imagen 3」を搭載）に強みがあることと、プロンプトに対する理解度が高いことで知られています。Googleアカウントを持っていれば、誰でも無料で利用可能です。
ImageFXの特徴は、ほかのアプリが日本文化に対する理解力が低く（画像が中国っぽくなる）なる傾向があるのに対し、非常にJAPANを知っていることが特筆されます。
ImageFXの使い方は非常に簡単で、Googleアカウントを持っているユーザーであれば、公式サイトにアクセスし、ログイン後にプロンプトを入力するだけで、瞬時に画像を生成できます。ただし、日本語プロンプトでの生成精度が低いため、英語プロンプトの使用が推奨されています。
Googleアカウント（Gmailアカウント）があれば、ログインしてすぐに無料で使えます。
＜プロンプト＝和訳＞
「パレットナイフを荒々しく使った油彩です。青い花瓶に生けられたヒマワリの花。花の部分のクローズアップ」
＜プロンプト＝和訳＞
「フォトリアリスティック画像。東京の夜景を空撮した画像。ネオンがきらきら光り、1台のヘリコプターが飛んでいる」
Gemini
Geminiの画像生成機能は、AIを活用して高品質なビジュアルコンテンツを創造することができる点が特徴です。
ユーザーは特定のテーマやスタイルを指定することで、独自のアートワークを生成することが可能となっています。
また、Geminiはプロンプトに対する高い理解力を持ち、ユーザーの意図を的確に捉えた詳細な画像を生成することができます。ただし英語のプロンプトによる指示が必要であり、人物の画像生成はできないという制限もあります。
＜プロンプト＝和訳＞
「フォトリアリスティック。美しいプレートに盛られた生ハムとチーズのイタリア料理。炒り卵が添えられたパーティの副食のクローズアップ」こちらのアプリなら和食もきれいに仕上げてくれます。思わず手が出てしまいそうです。(^^♪
＜プロンプト＞
「フリーハンド水彩画を描いてください。今回はフランスのプロバンス地方の小さな村です。ヨーロッパの古い建物などはレンガや石で造られているものが多く、周囲の生い茂った街路所も美しい。フランスで最も美しい村」に認定されている場所です」
Anakin AI
Anakin AIは、多様なAIモデルを統合したプラットフォームであり、その中でも画像生成の機能は特に注目されています。画像生成では Stable DiffusionやDALL-E 3などの最先端のモデルを利用しており、テキストによる説明やスケッチから高品質の画像を生成することができます。
Anakin AIの画像生成機能は、特に以下の点で優れています：
- ノーコードでのアプリケーション作成：プログラミングの知識がなくても、直感的なインターフェースを通じてAIアプリケーションを作成できます。
- バッチ処理：データの処理速度を向上させるバッチ処理機能を提供しています。
- Anakin AIの画像生成は、ユーザーが提供するプロンプトに基づいて、リアルな画像やアートワーク、デザインを生成する能力を持っています。これにより、ユーザーは自分の想像を具現化し、クリエイティブなプロジェクトに活用することができます。
これらの特徴により、Anakin AIは多くのクリエイターや開発者にとって魅力的な選択肢となっています。さらに詳しい情報や使い方については、Anakin AIの公式サイトをご覧ください。
＜プロンプト＝和訳＞
「浮世絵風のイラスト。大波に翻弄される船の一団。大波が船を飲み込む高さに成長している」
＜プロンプト＝和訳＞
「白と茶色の子犬をモチーフにしたグラフィック素材3匹の子犬がカメラを見ているクローズ。背景はpng透明に」
Anakin AIは無料で利用できる回数が設定されており、有料プランにアップグレードすることでさらに多くの機能や利用回数を得ることが可能です。
Picaso ～Freepic
AI画像生成ツール「AIピカソ」の主な特徴は基本無料で利用できることです。
ただし、一日のクレジットには制限があり有料にしないと無限に作ることはできません。
※1日20クレジットが使えます。日に５～6枚でよい方なら有料にしなくても大丈夫です。
さらにStable Diffusion技術を使用していること、人気のイラスト素材サイト「いらすとや」とのコラボレーション、そしてAIアバターを作成できる機能があります。
クリエイティブなプロジェクトやSNSのプロフィール画像、ブログ記事用のアイキャッチ画像などに活用ができ、さらにはPhotoshop Firefly同様、参考画像がアップできるので筆者は気に入っているアプリです。
＜プロンプト＞
「武士の時代の空想図。伝説のドラゴンと巨大な虎の戦闘シーン。4人の武士がこの戦いを見届けている。日本の龍虎の戦闘にヒントを入れる」
＜プロンプト＞
「リアルな写真画像。日本のラーメン。辛いタンタンメン。湯気が立つどんぶりと箸で背景はカメラの被写界深度が浅くぼやけて見えます」
プロンプトで楽しむAI画像生成のまとめ
AIの画像生成は、クリエイティブな表現の新しい地平を開き、私たちの想像力を形にする強力なツールです。AIを活用して、抽象的なアイデアから具体的なビジュアルまで、さまざまな画像を生成することができます。ここでは、AI画像生成を楽しむためのいくつかの方法を紹介します。
ステップバイステップのガイド
- ツールの選定: まず、多くの利用可能なAI画像生成ツールから、自分のニーズに合ったものを選びます。今回は優秀で無料（利用条件アリ）でも使えるベスト８を紹介しました。
- プロンプトの作成: 生成したい画像を説明するテキスト、つまりプロンプトを作成します。このプロンプトは、AIに対する指示となります。
- 画像の生成: プロンプトをツールに入力し、AIに画像を生成させます。このプロセスは数秒から数分かかることがあります。
- 結果の評価: 生成された画像を評価し、必要に応じてプロンプトを調整して再試行します。これにより、望む結果に近づけます。
楽しみ方のヒント
- テーマを設定する: 特定のテーマやスタイルを設定して、それに沿った画像を生成することで、一貫性のあるコレクションを作成できます。
- コラボレーション: 友人やオンラインコミュニティと協力して、プロンプトを共有し、互いの作品を評価し合います。
- チャレンジ: 特定の制約を設けたり、限られたキーワードを使ったりして、創造性を刺激します。
AI画像生成は、個人の趣味からプロフェッショナルなデザインまで、幅広い用途に活用できます。ただし、著作権に関する注意点もあり、生成された画像の使用には慎重になる必要があります。AI画像生成の可能性を探りながら、倫理的なガイドラインを守ることが重要です。
AI画像生成を通じて、あなたの創造性を最大限に発揮し、新しいアートの形を探求してみてください。
＜注意すべき点＞
AI生成画像を楽しむ際には、著作権やプライバシーの問題に注意が必要です。
生成された画像が既存の著作物と類似していないか、また、個人の肖像権を侵害していないかを確認することが重要です。
法的なリスクを避けるためにも、これらの点を念頭に置きながらAI生成画像を楽しむことが推奨されます。
これからの画像生成はAIの時代に移行します
AI生成画像の時代は、私たちに無限の可能性を提供しています。創造性を発揮し、新しいアイデアを形にするための強力なツールとして、AI生成画像を自由に楽しむことで、未来のクリエイティブな世界を一緒に築き上げましょう。
さあ、あなたもAIの力を借りて、新しいアートの創造に挑戦してみませんか。
生成AIを活用すると、自由に試しながら、既成の枠にとらわれないものを作り、短時間で最大限の価値を生み出すことができます。アドビはこの技術を、開発に10年を費やしたAdobe Senseiの次の段階と位置づけています。うまく利用すれば、人間の想像力のすばらしさはそのままに、クリエイティビティを高めインテリジェンスを磨くことができます。
これからは生成AIの時代です。
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