みなさんいかがお過ごしですか?
寒さは本格化、まもなく厳冬期に入ります。冬が暗いというイメージは花が少ないことも影響しているかもしれませんね。
でも花壇に目をやれば色と香りを添える花がないわけでもありません。パンジー、ビオラそれにクリスマスローズ、それにもうすぐ蝋梅や梅など目にすることができます。
しかし冬の花といえばなんといっても「シクラメン」が浮かびます。シクラメンは繊細で優雅、上品で洗練された印象があり、色の鮮やかさと花びらの形は格別に美しい花です。
シクラメンの花の香りは弱いながらも心地よいアロマが感じられます。
今日は癒しや安らぎを与えてくれるシクラメンの特集です。「シクラメンの原種」画像も登場しますよ。
冬の鉢花の女王・シクラメンの育て方と夏越し方法を紹介
シクラメンはヨーロッパやアジアの地中海沿岸地域に自生する植物で、紀元前から人々に親しまれてきました。日本には江戸時代にオランダから渡来したと言われています。
渡来した当時の江戸の人々は「オランダ芋」と呼んでいましたが、明治時代になって「シクラメン」という名前が定着しました。
☆シクラメンの原種画像☆
上の2枚の画像は、昨年筆者が埼玉県にある「国営・武蔵丘陵森林公園」を訪れたときに撮影したシクラメンの原種の画像です。
撮影したのは10月でした。場所は都市緑化植物園エリア、中央口からすぐの針葉樹園の端(彫刻広場側の角)になります。
針葉樹園の原種シクラメン(ヘデリフォリウム)は10~11月が見ごろとなり、12月になると花数が減って終了となります。そして同じ場所で2~3月にはシクラメン・コウムが開花します。可愛いですよ。
☆国営武蔵丘陵森林公園の情報☆
🛤️ 東武東上線「森林公園」駅(池袋から快速で56分)もしくは、JR高崎線および秩父鉄道「熊谷」駅で下車してください。
🛤️ 東武東上線「森林公園」駅を下車、「北口」にバスのりば、タクシーのりばがあります。徒歩なら南口まで約3km(約40分)です。
シクラメンの魅力ってどんなところ?
真冬の寒風吹きすさぶ季節に、元気に咲くシクラメンはひときわ愛らしく感じます。
冬の室内を華やかにする鉢植えのシクラメンはそれなりに、戸外は戸外で暑さや寒さに比較的強い丈夫さが魅力的なんですね。
その姿は、花びらが上を向いて咲くことから快活で明るい印象を与えます。また、色も豊富で白、ピンク、赤などの基本色から、紫やオレンジ、黄色などの珍しい色まであります。
シクラメンは、鉢植えや切り花としても人気があります。鉢植えの場合は、水やりや置き場所に注意することで長く楽しむことができます。
この花は冬の花壇や玄関先に飾るだけでなく、インテリアやプレゼントにもおすすめです。シクラメンの花としての魅力をぜひ感じてみてください。
シクラメンの寄せ植えは、種類やサイズ、デザインなどによって価格が異なりますが、一般的には数千円から数万円の範囲で販売されているようです。
最新の情報を見るとシクラメンの寄せ植えの人気商品は、600円台から6,000円台までの価格帯で、平均価格は約3,000円となっています。シクラメンの苗が400円から800円までの価格で販売されています。
シクラメンの花言葉は色によってイロイロ
シクラメンは冬の花として人気がありますが、色によって花言葉が異なることをご存知ですか?今回は、シクラメンの色ごとの花言葉とその由来を紹介します。
シクラメンの花言葉は、一般的に「心を込めた愛」「内なる美しさ」「遠慮深い恋」などとされていますが、色によっても変化します。
例えば赤いシクラメンは「熱烈な愛」「情熱」で恋人へのプレゼントなどにぴったりです。
白いシクラメンは「純真な愛」「清らかさ」を表し、友人や家族への贈り物に向いています。
ピンクのシクラメンは「優しい愛」「可憐さ」を、こちらは女性らしさや気品を感じさせますね。紫のシクラメンは「高貴な愛」「神秘性」で個性的で魅力的な人への贈り物になります。
シクラメンの花言葉の由来はギリシャ神話が関係しています。そもそもはギリシャ語で「円形」を意味する「キュクロス」からきており、つまり螺旋型の花の形に由来しているんですね。
つまり原種シクラメンのように花茎がくるくると巻き付く様子が螺旋型なのです。
注=原種シクラメンの中には花茎が巻きつかないものもあります。
また、シクラメンは冬に咲く花であることから、「冬眠する花」とも呼ばれています。
ギリシャ神話で美しい牧神アティスが自分を愛してくれない女神キュベレに嫉妬した別の女神アグディスに呪われて去勢されてしまいます。
そのアティスの血から生まれた花がシクラメンであり、その花言葉はアティスの悲しみや恋心を反映しているという言い伝えがあります。
シクラメンは色ごとに花言葉が違うだけでなく、その由来も深くロマンチックな花です。冬の寒さを忘れさせてくれるシクラメンを贈って、大切な人と心を通わせてみませんか?
シクラメンの基本情報
原産地では球根で育つため夏の高温乾燥時期に休眠し、気温が下がる秋以降、降雨によって休眠から目覚めて花を咲かせ、また翌年の夏まで生育を続けます。
シクラメンの園芸種は「ペルシクム」という原種から品種改良されたものが広く流通しています。
花色は赤やピンク、白が定番ですが品種改良により種類が増えています。
植物名・園芸分類 | シクラメン (多年草・球根) |
別 名 | ブタノマンジュウ・カガリビバナ(和名) |
科名・属名 | サクラソウ科 シクラメン属 |
英 名 | Cyclamen |
原産地 | 北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域 |
背 丈 | 10~70cm |
開花期 | 10月~3月 |
花 色 | 白、赤、ピンク、黄、紫、複色 |
耐候性 | 寒さにやや弱い(ガーデンシクラメン)~暑さは普通(その他のシクラメン) |
原産地 | 地中海地方 |
シクラメンの種類(原種・品種・一部の仲間)
花 名 | 英 名 | 特 徴 |
フェアリー・バンビ | Cyclamen persicum ‘Fairy Banbi | 八重咲き、花もちが良く花色が変化 |
メティス・シリーズ | Série Métis | 早咲きで丈夫。初心者向き。寒さに強くて開花期間が長い。 |
ネオ・ゴールデン・ガール(ボーイもある) | Cyclamen persicum ‘Neo Golden Girl’ | 花弁の元の部分が口紅を差したように赤い色になる。(ボーイは黄色い花) |
ピアス | Cyclamen persicum ‘Pierce | 成長するにしたがって先端がピンクのグラデーションになる。 |
ビクトリア | Cyclamen persicum ‘Victoria’ | 花びらがフリンジ咲きになる。こちらの品種から多くの八重咲き品種が生まれた。 |
ヴェスタ | ’Cyclamen persicum ‘Vesta’ | 夏の暑さに負けない品種。 |
パピヨン | ’Cyclamen persicum ‘Papillon | やや丸っこい花の形が蝶が飛んでいる様子に似ているのでついた名前。 |
シクラメンの育て方のコツ~意外と簡単でワクワク
水やりは、土が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。花の置き場所は直射日光を避けて涼しい場所が好ましいです。この2点だけでも守れば80点。
切り花を長持ちさせるには水換えや花糖の添加が大事です。水換えは、できるだけその日の新しい水で毎日行うのが理想です。花糖は市販されていますが、砂糖とレモン汁を適度に混ぜただけでも大丈夫でしょう。
シクラメンは冬の室内を華やかにしてくれる鉢花として定番の球根植物です。室内であれば初心者でも育てやすく、きちんと育てれば毎年開花を楽しめます。
シクラメンは冬の花壇や玄関先に飾るだけでなく、インテリアやプレゼントにもおすすめです。シクラメンの花としての魅力をぜひ感じてみてください。
お住まいの地域の特徴に合わせた育て方のコツ
やや前述の記事と重複しますが、絞り込めばたったこれだけです。
もし寒冷地で育てるなら
寒冷地でシクラメンを屋外栽培するには冬は寒すぎるので、一年通して明るめの窓辺で育てます。シクラメンの適温というと人間のそれよりかなり低く、冷房も暖房もいいのですが多少配慮したほうがいいでしょう。
そのため設定温度は夏も冬もいわゆる省エネになる温度帯が適当です。暖房が十分に効かない場所で育てる場合は寒すぎて枯れるでしょう。屋内用のシクラメンがどうしても枯れる場合は、ガーデンシクラメンを用意するのがおすすめです。
もし暖かい地方で育てるなら
暖かい地域ではベランダで通年の屋外栽培することができます。ただし暑さに弱いため、できるだけ日陰がベストです。
でも一日中陽が指さない場所は避けてください。ちょっとした木陰などがおすすめです。
鉢底にフラワーベースを置いて、床面の熱や冷気がダイレクトに土などに伝わらないように気を付けます。
鉢を置いた場所が0℃を下回る日がずっと続くのは歓迎しません。
気温が5℃を下回る前に暖かそうな窓辺に置き場所を変え、最低気温が5℃を超えるようになったらまた屋外栽培に戻しましょう。
もしうまくいかず枯らしてしまったら
筆者も6年以上同じシクラメンを同じ場所で育てています。窓際でよく日が当たります。千葉は比較的温暖なので住み心地がいいのかもしれません。
でも注意してほしいのは、陽が一日中当たりすぎると花は枯れてしまいます。素通しのガラス越しではなく曇りガラスとかアクリル板を通した光なら大丈夫です。
単純に室内は陽が当たらず暖房で乾燥すると環境はよくなりません。我が家では冬はそのままベランダに置いて、日照条件がよすぎる夏は日陰に移動します。なにかの日陰になる場所ならそこがベランダでもうまく栽培できます。
もしかすると夏でもちょこっと咲くかもしれません。
シクラメンのかほり~小椋佳さんの代表曲
「シクラメンの香り」という曲は、小椋佳さんが銀行員時代にシンガーソングライターとして二刀流の活躍を始めたころの1975年(彼が31歳当時)に作詞・作曲し布施明さんが歌ったヒット曲です。
小椋佳さんが取引先に出向いた時、窓辺にあったシクラメンを始めてみて興味を持ったようですね。
シクラメンの花の色に例えて恋の変化を表現しています。真綿色は出会いの時、薄紫色は別れの時、赤色は再会の時を意味しています。
ここに登場する「真綿色」とはどんな色でしょうか?
真綿色とは白に近い淡いピンク色のことです。真綿とは、綿花から取れた繊維のことで、そのままの色が真綿色になります。真綿色は優しくて柔らかい印象を与える色で、恋愛や女性らしさを象徴する色とも言えます。
真綿色は日本ではあまり一般的な色ではありませんが、真綿色を知ることでこの曲の魅力をより深く感じることができるでしょう。
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