みなさんいかがお過ごしですか?
秋は空気が澄み渡り夜の月が美しく輝く季節です。宇宙の営みは昔から変わりません。だから旧暦の8月15日、秋の真ん中は中秋の名月と呼んでいます。
ところで「ハンターズムーン(Hunter’s moon)」て聞いたことがありますか?あまり耳慣れないかもしれませんね。今日は「ハンターズムーン」のお話です。
満月の夜は狩りをするにも恋をするにも絶好のチャンスなんですよ。
何の事ですって?
では「ハンターズムーン」に纏わるエピソード、すごい神秘的でもありちょっと怖~いお話をしましょう。
ハンターズムーンは宇宙の神秘に触れる夜
2023年の10月29日がその日に当たり、美しい満月が見られます。この日の満月を「ハンターズムーン」と呼びます。
今年の満月は11・12月と残すところあと2回のみ。いずれもほぼ日本全国で(わずか~な)部分月食の始まりから終わりまで観察できるはずです。お天気次第ですがね…。
最初に「ハンターズムーン」の一口メモをご覧ください。
10月に観測される満月のことでもともとはアメリカ先住民に密着した行事からのネーミングです。
彼らは毎月の満月(農事暦)にそれぞれ名前を付けていました。名前から季節を把握していたんですね。
10月の満月が「ハンターズムーン」です。10月というと冬に備えて肉の備蓄がはじまり狩猟中心の生活になります。また好都合なのはこの時期、シカやウサギなどが夏場に餌をたらふく食べて太るのでタイミングがいいんですね。
このころの満月は太陽が沈んだ後もあたりを長い間明るく照らすので狩りにはもってこいです。ハンターズムーンはそんな背景があってこの名前がつきました。
神秘的な意味を含んだ「ハンターズムーン」、でも同時に月食がバッティングしているとなると話は複雑。昔から吉凶両方の言い伝えがあります。
この夜の満月は通常よりも月のエネルギーが高まるんだとか。つまり、味方につければ幸運が訪れ、恋は成就して大喜びなんて良いことづくめ。逆に不運な人には罰が下されるという不吉でデリケートな日でもあります。
満月の夜は部分月食が見られる~月食の豆知識
もうご存じでしょうが、一度おさらいで「月食」とは?
これは単純に太陽と月の間に地球が入った時、地球の影が月に投影される現象ですね。月が部分的に欠けて見えるので「月食」といいます。
月食は満月の時にほぼ限定されますが、その都度必ず起こるものではありません。また地球の影の出方によって皆既食、部分食、半影食の3種類に分類されます。
皆既食の時は、月が赤銅色に見えることがあります。これは、地球の大気が太陽光を屈折・散乱させて本影の中に入るためです。
「日食」というのもありますが見られる地域は限定されます。日食は月の影が地球表面を横切るとき発生するもので、地球の限られた帯状の地域でしか見ることができません。
月食は月が見える場所であれば地球上のどこからでも同時に観測できます。
10月29日の月食のピークは午前5:24頃、部分月食が始まるのは午前4時30分頃になるでしょう。(月食は隅っこのほんの一部なので見逃さないように注意してください)
月は太陽が落ちた時間から東北東に現れ、南の空を通って西北西へと沈んでいきます。
今年は11月9日にもう一度チャンスがあります。時間的には10月と同じ早起きが必要でほとんど同じ時間です。この壮大な天体ショー、見られるかどうかはお天気次第ですね。
ハンターズムーンの言い伝えアラカルト
ハンターズムーンには狩猟以外にも様々な言い伝えとか伝承があります。調べるほどにいろいろありますが、コンパクトにまとめると以下のようになります。
ハンターズムーンは恋の予兆である
ハンターズムーンは、恋人たちにとって幸運な満月であると言われています。
ハンターズムーンの夜に二人で見上げれば愛が深まるとか、結婚のチャンスが訪れるとかいわれています。そんな渦中にいる皆さんにとってはチャンスですね。
アメリカでは実際にハンターズムーンの夜にプロポーズしたカップルや結婚式を挙げたカップルもいっぱいいるそうです。
ハンターズムーンが恋の予兆であるという考え方は、古代ローマやギリシャの神話に由来すると言われています。ハンターズムーンは、美しく豊穣な女神ディアナやアルテミスの象徴であり、彼女たちは恋愛や結婚を司る女神でもありました。
ハンターズムーンは魔力が強い
ハンターズムーンは魔法や呪術に関係する満月でもあります。その魔力は他の満月よりも強く、悪いものだけでなく良いものも引き寄せるといわれます。
例えば、ハンターズムーンの夜に願い事をすると叶うとか、ハンターズムーンの光を浴びると健康や美容に良いとか、そんなことを信じる人もいます。
また、ハンターズムーンは、魔女や妖精などの超自然的な存在とも関係が深いという伝説もあります。
年長者はハンターズムーンの夜には彼らが活発に動き回り、人間に干渉したり逆に助けたりすることがあると話します。
ハンターズムーンは災いを招く
ハンターズムーンは狩猟に適した時期であるということから、動物たちにとっては不吉な満月になります。
動物たちは、ハンターズムーンの夜には身を隠さなければならず、逃げ場もなくなるわけですからね。
また、良いことばかりでなく人間にも災いを招くことがあるという人もいます。
例えばハンターズムーンの夜には犯罪や事故が増えたり、気分が悪くなったりすることがあるとか!そんなことを恐れる人も実際にいます。
ハンターズムーンが災いを招くという考え方は、中世ヨーロッパの”super stition”に由来します。
悪魔や悪霊の象徴であり、彼らが人間に災いをもたらすと信じられてきました。
以上、ハンターズムーンに関する言い伝えや伝承を紹介しました。
ハンターズムーンは様々な文化や歴史の流れの中で、人々の想像力や感情を刺激する満月であることがわかります。
”super stition”は迷信ぽい伝承です。科学的な根拠や論理性に欠ける信念や行動のことで、例えば金曜日の13日は災難が起こるというのもそうですね。
今日の季節の花暦~「トリトマ」
トリトマの別名は「赤熊百合(しゃぐまゆりまたはトーチリリー=Torch lily)」です。
英名のトーチリリーは花がすこし下向きで筒状に咲き、すこしづつ数が増える様子を燃えるたいまつ(トーチ)に見立て”トーチリリー(Torch lily)”と付けられました。
トリトマは南アフリカ原産のユリ科の多年草で、赤やオレンジ、黄色などの鮮やかな色の花を咲かせます。
花の形が火のように見えることから「火の花」という別名もあります。日本では秋に開花することが多く、秋の花壇や切り花として人気があります。
トリトマの育て方は難しくありませんが、いくつか注意点があります。
まずは日当たりですね。日当たりが悪いとうまく育ちません。故郷はアフリカ、暑さに強いだけ寒さには弱いので冬は霜や雪から守る必要があります。
また植える場所は水はけの良いところが最良です。水は乾燥したらたっぷりと与えますが、水はけが悪いと根腐れの原因になります。肥料は春から秋にかけて液体肥料を月に1回与える程度で十分です。
トリトマの花は長く楽しめるだけでなく切り花としても素敵です。
切り花にする場合は花が半分ほど開いた時に切り取ります。茎の下の方にある葉は取り除き、水に浸けておきます。水換えは毎日行い水に食品用クエン酸を少量加えると花持ちが良くなります。
トリトマの花は色鮮やかで存在感がありますが、同じ色系の花やグリーンと合わせるとより引き立ちます。
例えば、赤いトリトマなら赤やピンクのダリアやバラ、黄色いトリトマなら黄色やオレンジのコスモスやガーベラなどがおすすめです。グリーンとしてはユーカリやアスパラガスなどが合います。
トリトマの花は秋の風物詩ですが、実は一年中楽しめる花なんです。温室栽培されたものや切り花として販売されているものは季節を問わず見かけることができます。トリトマの花を飾って、部屋に彩りを加えてみませんか?
開花中は大量の蜜を分泌するため蜂やチョウがいっぱい集まります。熱帯アフリカには約70種が分布し、標高1,000m以上に分布するものがほとんどだそうです。
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